五穀豊穣から、子どもの成長まで
切なる“祈り”を削り出す奈良一刀彫

一刀彫は各地にあれど、「奈良一刀彫」の起源は約880年前の平安時代までさかのぼります。
奈良市の春日大社の摂社若宮神社では、毎年12月に「春日若宮おん祭(おん祭)」という祭礼が行われます。おん祭では、田楽花笠や盃台に多くの木彫人形が飾れられたことから、この製作を専門とする人が現れました。

若宮神社の祭神は、天押雲根命(あめのおしくもねのみこと)です。天押雲根命は水徳の神様として信仰されています。

1135年、大雨洪水による飢餓と疫病が蔓延した際に、関白・藤原忠通が本社と同じ規模の若宮を造営しました。翌年1136年に御神霊をお迎えし、祭礼を奉仕したのがおん祭の始まりです。天押雲根命のご神徳により、長雨洪水は鎮まりました。
以後、五穀豊穣、万民安楽を祈る儀礼として、880年以上にわたり途切れることなく現在まで続いています。

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おん祭は、舞楽(ぶがく)、細男(せいのお)、一物(ひとつもの)、猿楽(さるがく)、田楽(でんがく)などを伴う、芸能祭的色彩の濃い祭礼です。
なかでも、五穀豊饒・悪疫退散の意味を持つ「田楽」は、おん祭の目的と一致するのでとくに重視されています。

この「田楽」で、田楽法師の花笠や島台を飾った神事用の人形が、奈良一刀彫の起源です。神に捧げる人形は清浄が第一なので、人の手を多く加えることが極力避けられ、「一刀彫」という手法が採用されました。

その後、奈良一刀彫は、祭礼や儀式をいろどるかたちで発展し、安土・桃山期にさらに飛躍します。
織田信長や豊臣秀吉、徳川家康らの治世には、各地から献上の品が贈られました。奈良からの献上品の筆頭は、美しく彩色された盃台。その盃台上を飾ったのが奈良人形の能人形であったと『多聞院日記』などに記録されています。

奈良の雅な文化や、その土地の想いが染み込んだ、奈良一刀彫。
江戸時代に入ると、それまで祭礼のみ使われてきた奈良人形が、節句や観賞用として、市民にも親しまれるようになりました。
江戸時代後期は、女の子のお人形遊びと節句の儀式が結びつき、全国的に雛人形が飾られ始めた時期です。当時から奈良一刀彫の雛人形は、繊細さと大胆さが同居する伝統工芸として愛好されてきました。

test NARADOLL HIGASHIDAの「ひいな」シリーズ

そんな奈良一刀彫の伝統を受け継ぎつつ、現代の生活に調和した節句人形を提案しているのが、「NARADOLL HIGASHIDA」です。
人気の「ひいなシリーズ」は、源氏物語に出てくる「ひいなあそび」がモチーフ。愛らしい見た目と豊かな色彩で、飾る時期や場所を選ばずに楽しむことができます。
「かぶとシリーズ」は、一刀彫りならではの勇壮なフォルムと豪華な彩色が特徴。男の子の成長を願って贈る親の気持ちをどっしりと受け止めてくれます。

奈良一刀彫は、時代に合わせて姿を変えながら、日本を代表する伝統工芸品の一つとして、たくさんの人たちに愛され続けています。

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一刀彫りならではの素朴さ、十二支それぞれのほっこりとした表情を見ると、何とも言えない愛着が生まれてきます。

大林社壽園Ōbayashitōjuen

Address
奈良県奈良市南半田東町13
Tel
0742-22-1912
Web
http://nara-ningyo.com/
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“温故知新”という言葉がすっと入ってくるような、現代的なデザインの一刀彫り。都心住まいの祝いの日に、そっと飾りたくなる雛人形です。

NARADOLL HIGASHIDANaradoll Higashida

Tel
0743-21-2470
Web
http://naradoll.com/

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