神在月の祭事で振舞われた
誰もが知る和スイーツとは?

真っ白な砂浜が美しく、夏には多くの海水浴客で賑わう「稲佐の浜(いなさのはま)」。
出雲大社からすぐ近く、日本の渚100選にも選ばれるほど見事な景観をもつ浜辺は、旧暦10月10日(2019年は11月6日)の夜、荘厳な雰囲気に包まれます。
いつもは街灯もほとんどない浜辺に御神火が焚かれ、注連縄(しめなわ)が張り巡らされた斎場で神事が行われます。出雲地方では、神々が出雲に一堂に会する10月を神無月ではなく「神在月(かみありつき)」と呼び、始まりの合図とも言える「神迎祭」が、稲佐の浜で執り行われるのです。

旧暦10月10日から17日までの神在祭(お忌みさん)の期間は、出雲大社周辺は建物工事や楽器の演奏など、音を出すことが控えられ、できるかぎりの静粛が保たれます。神様と出会っては失礼と考えられ、人々の外出も控えられるため、街中が普段とは少し違った厳かな雰囲気が漂います。

test 祭りのまかない飯「うず煮」(料理提供:看雲楼)

神在祭に限らず、地域の神事には独特の習わしがつきものです。
それは神事に欠かせない“食”も同じ。旧暦の元日に出雲大社で執り行われる福神祭で振舞われる「うず煮」は他地域にはない独特の食べ物です。
地元で水揚げされたトラフグからとる出汁と鰹出汁を合わせて、かんぴょう・しいたけ・フグの身を加えて、葛粉でとろみをつけ椀に注いだあと、ご飯を乗せ、せり・岩のり・わさびを添えたら完成。見た目は少々地味ですが、コクが深く上品で、岩のりの風味が口いっぱいに広がります。
島根の海や山で育まれた食材を、その土地ならではの食べ方で味わう。まさに歴史ある出雲らしい名物料理のひとつです。

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もうひとつ、みなさんにお馴染みの食べ物で、出雲が発祥とされているメニューがあります。今や全国の甘味処で食べられるようになった「善哉餅(ぜんざいもち)」がそれです。発祥の神社ともされる出雲国二ノ宮「佐太神社」は由緒ある場所で、同所を中心に行われる「佐陀神能」は、ユネスコ無形文化財遺産リストにも登録されています。
その佐太神社でも神在祭(11月20日〜25日)が行われますが、この神在祭の時に振舞われるなどした「神在餅(“じんざい”もち)」が、いつしか“ぜんざい”となって、京都に伝わったと言われています。

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佐太神社の門前にあり、猫の“にゃあ店長”が迎えてくれる「佐陀乃だんだん家」では、砂糖のない時代の善哉も再現。ご当地のさまざまなメニューを味わえるとして、参拝客からも人気です。

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うず煮のほか、日本海の幸が美しく盛られたお刺身、出雲地方名産の割子そばも提供されています。出雲大社に訪れた際はぜひお立ち寄りください。

看雲楼Kanunrou

Address
島根県出雲市大社町杵築東489-1
Tel
0853-53-2017
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八百万の神が集まる神社の門前で、その歴史とともの味わうぜんざいは格別です。清涼感ある冷やしぜんざいもおすすめ。

佐陀乃だんだん家Sadanodandanya

Address
島根県松江市鹿島町名分1348-1
Tel
0852-82-1104

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