古来、住まう人・訪れる人の心を惹きつけ続ける
出雲大社。
大社を中心とした国譲りなどの神話が醸すロマンと
出雲各地で育まれた文化・風習が織りなす空間に身を置くと、
自然と胸の高鳴りを覚えずにはいられません。

時を経た江戸時代、
その出雲のストーリーに深みを与えたのが、
不昧公の名でも知られる
第七代 松江藩主 松平治郷です。
不昧公は、困窮する藩の財政を立て直しただけでなく、
その高い美意識から茶道や工芸を奨励、
出雲は一躍工芸の地へと発展します。
文政から天保年間初期にまとめられた
「雲陽国益鑑」からは、
いかに当時から出雲の工芸が盛んであったかを
窺い知ることができます。

昭和初期には、
柳宗悦らによる民藝運動の熱が出雲にも伝わり、
工芸への精神が、出雲民藝として一気に花ひらきます。
そこで大切にされたのも目に見えない精神性の部分です。
珠玉の工芸品の数々は愛でるだけでなく、
暮らしのなかでこそ輝く“用の美“として、
その心がいっそう大切にされました。

文化にさらなる彩りを添えたのが出雲の豊かな風土です。
神話にも度々登場する斐伊川をはじめ、
稲佐の浜、宍道湖などの水資源、
経済の発展をも支えた、鉄や瑪瑙(めのう)などの資源、
各地で生まれた風習など、
地域を織りなす魅力が渾然一体となり、
唯一無二の価値として、
出雲の文化は今も輝き続けているのです。

情熱の炎は絶やさない 奥出雲たたら 千年物語

古代より日本の鉄文化を支えてきた奥出雲の「たたら製鉄」。しかし明治期、次第にたたらの火は消えていくことになります。そして、この物語には、現代につながる続きがありました。

大人のこだわり心をくすぐる 自然×職人技の“わび”と“さび”

不昧公の名で知られる、松平治郷(まつだいら はるさと)は、10代から茶を学び、独自の不昧流を確立。一方で、形式や道具だけに執着し、町人たちに遊びや芸事のように扱われる茶の湯を嫌い、“わび”“さび”を徹底して求めました。

1300年の歴史を感じる温泉郷で神様も惚れ直す”湯上がり美人”に

島根県は”美肌の湯”と名高い温泉がいくつもあります。その温泉で肌を磨いたおかげでしょうか。株式会社ポーラが実施する『ニッポン美肌県グランプリ2018』では、島根県が「日本で1番美しい肌を持つ美肌県」に選ばれました。

藍栽培のルーツ?出雲で青空の下に咲くジャパンブルー

出雲地方で「筒描藍染」を行う唯一の工場が、高瀬川沿いにある長田染工場です。島根県指定無形文化財の保持者である四代目の長田茂伸さんと五代目の長田匡央さんの親子二人で、全国でも類を見ない技術を守り続けています。

神在月の祭事で振舞われた 誰もが知る和スイーツとは?

神々が出雲に一堂に会する旧暦10月。出雲ではこの月を「神在月(かみありつき)」と呼びます。実は、和スイーツの代表格のひとつ「善哉(ぜんざい)」は、その神在月に行われる伝統ある祭事がルーツとされているのです。

自然の叡智と技を集めて、“捨てない”をもっと美しく

漆は、装飾や艶を与えるだけのものではありません。その技術を受け継ぐように「金継ぎ」という手法がいま注目を集めています。出雲出身で、島根・東京の二拠点で活躍する金継ぎ師guu.さんも、金継ぎに魅せられた一人。

元祖パワーストーン?!神代の力が宿る青い“玉”

三種の神器は剣、鏡、勾玉であり、その勾玉は「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」と呼ばれます。深みある緑が特長の「めのう」「碧玉」に象徴される出雲の勾玉は、ふっくらとした丸みが印象的なデザインで、宮中に献上されたほどです。

道端の草が教えてくれる “薬草の国 出雲”、暮らしのヒント

神話には今なお自生する数十種類の野草が登場します。別名“神の宿る草”とも言われる「マコモ」は、食べるだけでなく出雲の神事にも使われ、なんと出雲大社の本殿前のしめ縄は「マコモ」で作られたものだそうです。

出雲神話にも登場する水辺にまつわるおいしい話

八岐大蛇伝説が残る斐伊川、魚介類が豊富に獲れる宍道湖など、出雲には水にまつわる物語や魅力が多くあります。冬の荒れた日本海で獲れる十六島海苔(うっぷるいのり)という不思議な響きがある海苔もその魅力のひとつ。

迷える若者たちの支えともなった 使われてこそ輝く“用の美”の心

出雲における茶の湯・焼き物文化は脈々と受け継がれ、大正期の柳宗悦・河井寛次郎らによる「民藝運動」により新たな広がりを見せます。いわば出雲の焼き物文化の歴史は、近代以降の出雲文化史そのものと言えるかもしれません。