この世に人が生まれたその瞬間から
人と食べることは、切っても切れない縁です。
食に “文化” という概念が見出されたのは
昭和の時代に入ってからだいぶ経ってからのこと。
素材、調理法、こだわり、作り手、
そして歴史、
その背後にある物語や文化まで “味わう” 喜びが、
食べることに、さらなる深みを与えてくれるはず。
では、出雲・大和の
食の源流を訪ねてみましょう。

1300年前に生まれた日本のチーズ?奈良の伝統食「蘇」と「飛鳥鍋」

「蘇」とは、牛乳を煮詰めて作るチーズのようなもので、薬として扱われていました。日本最古の医学書『医心方』には「蘇は筋力がつき、胆が強くなり、肌や体に潤い、つやが出る」という記録も残っているのだそうです。

神在月の祭事で振舞われた 誰もが知る和スイーツとは?

神々が出雲に一堂に会する旧暦10月。出雲ではこの月を「神在月(かみありつき)」と呼びます。実は、和スイーツの代表格のひとつ「善哉(ぜんざい)」は、その神在月に行われる伝統ある祭事がルーツとされているのです。

出雲神話にも登場する水辺にまつわるおいしい話

八岐大蛇伝説が残る斐伊川、魚介類が豊富に獲れる宍道湖など、出雲には水にまつわる物語や魅力が多くあります。冬の荒れた日本海で獲れる十六島海苔(うっぷるいのり)という不思議な響きがある海苔もその魅力のひとつ。

栄華を極めた山間の宗教都市 その裏にあった清酒発祥の物語

正暦寺は清酒発祥の地として、室町時代の古文書『御酒之日記』や江戸時代初期の『童蒙酒造記』にも記されています。当時の製法で約500年ぶりに復活した酒母を使い、さまざまな蔵元の清酒として楽しめるようになりました。

伝説の大蛇をホロ酔いにした日本最古の酒は、こだわりも伝説級

島根県を流れる斐伊川、八岐大蛇はその上流に住み、大酒飲みで、毎年一人ずつ娘を食らったと言います。大酒を好んだ大蛇でさえすぐ夢見心地になったのが日本最古の酒とも言われる「八塩折之酒(やしおりのさけ)」です。